秋葉という女 [デート]
ひとり、青山のコイーバ・アトモスフィアへシガーを一本燻らせに行く。
なんとなく飲み足りない気分だった事もあり、シガーを吸い終え、そのまま六本木へ。
ミッドタウン横の馴染みのバーへ行くと、顔なじみの秋葉が1人飲んでいた。
なんとなく飲み足りない気分だった事もあり、シガーを吸い終え、そのまま六本木へ。
ミッドタウン横の馴染みのバーへ行くと、顔なじみの秋葉が1人飲んでいた。
お客も他に1人しかいなく、「よぉ、久しぶり」と、彼女に声をかけ、ごく普通のありふれた会話をありふれた時間だけしていると、いつのまにか、深夜0時30分も回り、閉店時間になっていた。
彼女に会ったのも久しぶりだったので、連れ出し店をかえて飲む事にした。
今まで辛い事でもあったのか、友達の事、付き合っていた男の事を、
時にはムキになったり、時には目頭をおさえながら一方的に話してきた。
僕は、ひたすら聞き役に回るしかなかった。
結局2件はしごして、最後にギネスビールを飲み干し、時計に目をやると6時を回っていた。
窓のない穴蔵から下界にのぼると、朝日がまぶしく、風は冷たかったが清々しかった。
「なんか、お腹が空いちゃった」と、秋葉。
「じゃ、近くのつるとんたんでも行こうか」
僕は、席に座るや否や〆のビールと、朝から、かつカレーうどんを頼んでいた。
人の話を聞いてるようで聞いてない自分。ただ、話を聞いてあげる事も大事、と思いながらも、どこか気を使っていた事で、お腹が空いたのだろう。
「今日はごめんなさい。一方的に話を聞いてもらって。けど、とてもすっきりしたわ」
と、言われたところで、僕自身も、これで、今日の役目が終了する。という安堵感からか、やさしく彼女を眺めてみた。
さっきまで、目の前で泣いたり笑ったりしながら話していた彼女が、目の下に涙の跡つけながらも、無邪気に「明太子のおうどん」を食べる姿を見て、なぜか愛おしく思えた。
彼女の話を端折って言うのであれば、
男女間、色々経験してみたものの、絡まり合わずお互いを尊重しあう関係が良いの。
みたいな事を言っていたような。。。。
今更、彼女のさっきまで力説していた事を頭の中に無気力に浮かばせながら、
そういえば、前日、この女より10も年上の違う女も同じ事を言ってたっけ。
そういえば、前日、この女より10も年上の違う女も同じ事を言ってたっけ。
と、おもむろに思い出した。
そんな事を思った瞬間、秋葉が、なんか、こ生意気な小娘にもちょっと思えた。
しかし、実直で信念をもってる事は、とても素敵だと思った。
「な、俺と、つき合わないか?」
ぼーっとしながらも、箸の先を口にあてながら、つい口走ってしまった。
「私、本命もいるし、遊び友達もいるよ。」
「そんなのどうでもいい。 なんか、好きになったからダイレクトに言ってみたくなったんだよね。実はあまり意味ないかも。。けど、わかんない。。俺も。。。」
「そうよね。本命がいる、いないはどうでもいいわよね。私もあなたが好きよ。」
やがて、食べ終わり、朝日を背に交差点まで歩き、アマンドの前からタクシーに二人で乗り込み駒沢大学で彼女を下ろした。
そして、一日が経ち、こうやって日記を書いている。
なぜ、書く気になったのか?
なにか、予感がすのかも。
まさか。 笑